パーキンソン病の教科書
文字の大きさ

用語集

本書で使う主な医学用語の解説

読了 約 5
こんな方に: 本文中の医学用語を引きたいとき
最終更新:

この用語集について

本書で出てくる主な医学用語をまとめています。
各用語は本文中の使われ方に基づいて、できるだけ平易に説明しています。

あ行

アパシー(無気力)

意欲や興味の低下。怠けではなく、ドパミン・セロトニンなどの脳内物質の減少が関わる症状の一つ。パーキンソン病の方の約 30〜40% にみられるとされる。

安静時振戦(あんせいじしんせん)

じっとしているときに手や足が震える症状。動かすと震えが小さくなる。1 秒間に 4〜6 回程度のリズミカルな震えが特徴。

→ 関連: 第 1 章、第 4 章

嚥下障害(えんげしょうがい)

食べ物や水分を飲み込む機能の低下。誤嚥性肺炎のリスクとなるため、進行期では特に注意が必要。

→ 関連: 第 8 章、第 12 章

オフ状態 / オン状態

オン状態 = 薬が効いて体が動きやすい時間帯。 オフ状態 = 薬が切れて体が動きにくい時間帯。 リハビリは原則オン状態に行うのが効率的。

→ 関連: 第 3 章、第 7 章


か行

ガイドライン(診療ガイドライン)

医学的根拠(エビデンス)に基づき、専門家が作成する診療の指針。日本では「パーキンソン病診療ガイドライン 2018」(日本神経学会)が代表的。

キュー(Cue)

すくみ足を解除するための外からの刺激。視覚・聴覚・認知の 3 種類がある。

→ 関連: 第 5 章

起立性低血圧

立ち上がったときに血圧が下がり、めまい・ふらつきが出る症状。自律神経症状の一つ。

→ 関連: 第 9 章

筋強剛(きんきょうごう/固縮)

筋肉が常にこわばり、関節が動かしにくくなる症状。パーキンソン病の 4 大症状の一つ。

→ 関連: 第 1 章、第 4 章

黒質(こくしつ)

脳の中脳にある領域。ここのドパミン神経細胞が減少することがパーキンソン病の主な病態。

→ 関連: 第 1 章

固縮(こしゅく)

筋強剛と同じ。


さ行

指定難病

国が定める、原因不明で治療法が確立されていない疾患のうち、医療費助成の対象となるもの。パーキンソン病は告示番号 6 番。

→ 関連: 第 2 章、第 10 章

ジスキネジア

意図せずに体が勝手にくねくね動く不随意運動。L-ドパが効きすぎたタイミングに出やすい。

→ 関連: 第 3 章

神経可塑性(しんけいかそせい)

脳が新しい回路を作り直す能力。リハビリの科学的根拠の一つ。

→ 関連: 第 1 章、第 4 章

進行性核上性麻痺(PSP)

パーキンソン病に似た症状を起こす別の神経変性疾患。鑑別が必要。

→ 関連: 第 1 章

身体図式(ボディ・スキーマ)

脳が認識している自分の体の形・位置の感覚。パーキンソン病ではこの感覚がズレることがある。

→ 関連: 第 4 章、第 6 章

すくみ足(Freezing of Gait)

歩こうとした瞬間に足が床に張り付くように動かなくなる症状。

→ 関連: 第 5 章

セカンドオピニオン

主治医以外の医師から、診断や治療方針について意見を聞くこと。

→ 関連: 第 2 章


た行

たんぱく質再分配食

L-ドパとたんぱく質が腸での吸収を取り合うことを利用し、たんぱく質を夕食に集中させる食事法。

→ 関連: 第 8 章

DBS(脳深部刺激療法)

進行期パーキンソン病の手術治療の一つ。脳に電極を埋め込み、電気刺激で症状を和らげる。

→ 関連: 第 3 章、第 12 章

ドパミン

脳内で運動・意欲・幸福感をコントロールする神経伝達物質。パーキンソン病で減少する。

→ 関連: 第 1 章

ドパミンアゴニスト

ドパミン受容体を直接刺激する薬。L-ドパに次ぐ効果。

→ 関連: 第 3 章


な行

難病情報センター

公益財団法人難病医学研究財団が運営する、難病に関する公的情報サイト。https://www.nanbyou.or.jp/

認知機能の低下

物忘れや段取り力の低下など。長期経過の中で出現する方もいる。

→ 関連: 第 9 章


は行

ハネムーン期

L-ドパが効果を発揮し、症状がコントロールできる時期。診断初期に数年続くことが多い。

→ 関連: 第 3 章

非運動症状

運動以外の症状(便秘・睡眠の問題・嗅覚低下・認知機能低下・気分の落ち込みなど)。

→ 関連: 第 9 章

ホーン&ヤール(Hoehn & Yahr)重症度分類

パーキンソン病の進行度を I〜V で示す国際的な指標。1967 年の論文が原典。

→ 関連: 第 1 章


ま行

無動・寡動(むどう・かどう)

動作が遅くなる症状。パーキンソン病の 4 大症状の一つで、診断的価値が高い。

→ 関連: 第 1 章、第 4 章

MAO-B 阻害薬

脳内のドパミンの分解を抑える薬。パーキンソン病治療の一翼を担う。

→ 関連: 第 3 章


や行

矛盾性運動(逆説的歩行)

足が動かないはずなのに、線をまたいだり階段を上ったりはできる現象。すくみ足の特徴。

→ 関連: 第 5 章


ら行

LCIG(レボドパ・カルビドパ持続経腸療法 / デュオドーパ)

L-ドパを胃や小腸に持続的に注入するデバイス治療。

→ 関連: 第 3 章

LSVT-BIG

パーキンソン病に特化したリハビリ手法。「大きく動く」ことに焦点を当てる。

→ 関連: 第 4 章、第 7 章

LSVT-LOUD

LSVT-BIG の声バージョン。「大きく発声する」ことに焦点を当てる。

→ 関連: 第 4 章

L-ドパ(レボドパ)

ドパミンの前駆物質を補う薬。パーキンソン病治療の中心。

→ 関連: 第 3 章

REM 睡眠行動障害(RBD)

夢を見ながら大声を出したり、手足を激しく動かしたりする症状。パーキンソン病の前駆症状の一つ。

→ 関連: 第 9 章


わ行

ウェアリング・オフ

L-ドパの効きが、次の服薬時間を待たずに切れる現象。

→ 関連: 第 3 章



医療免責

本用語集の説明は、一般読者向けに簡略化しています。
正確な医学的定義は、診療ガイドラインや医学辞典をご参照ください。

関連が深い章を、続けて読んでみてください。